【イライラを抑えるコツ】怒り・感情をコントロールする方法
怒りの感情はなぜ起きるのでしょうか?
ちょっとしたイライラから、感情が制御できず爆発する人もいます。
今回は、人のイライラの原因と、怒りの感情を抑える方法をご紹介します。
10代の男子
思春期を迎えた男の子は、男性ホルモンを分泌し始めます。
その影響で、攻撃的になることがあります。
大人になってくると、さまざまな経験を積むことで、感情をコントロールできるようになります。
しかし、思春期の男の子は、感情をコントロールする脳(大脳新皮質)が未熟で、怒りに対するブレーキが利かない状態です。
ほとんどの男の子は、経験を積んで20歳あたりで、感情をコントロールできるようになってきます。
女性
セロトニン
女性は一般的に、幸せホルモンの「セロトニン」の分泌が男性より少ないため、不安を感じやすい傾向があります。
そのため、イライラして、家族にイライラをぶつけることがあります。
それ以外にも、女性ホルモンの影響で、気分の浮き沈みがあります。
生理が来る3〜10日前は、イラ立ち、不安、うつ症状が出ます。
また、身体的症状として、胸の張りや、体のむくみ、頭痛、体重増加も重なり、さらに気分を憂鬱にさせます。
更年期障害
50歳前後で、女性は閉経します。
この時期10年間を更年期と言います。
女性ホルモンが急激に減少することで、バランスが崩れ、心身に様々な不調が現れ、イライラすることがあります。
高齢者
近年はキレたり、クレーマー化した高齢者が社会問題となっています。
高齢者の人口が増えた、というのも一つの原因ですが、なぜ高齢者はキレてしまうのか?
原因として男性は特に、仲間づくりが苦手な人が多くいます。
仕事を退職すると、社会との繋がりが無くなり、孤独に陥る人も多くいます。
さらに、高齢男性の中には異常にプライドが高い人がいます。
「仕事を一生懸命やってきた、自分は賢いという」気持ちを強く持っています。
賢い自分を社会は、ただの老人として扱う、その不満が溜まるのです。
また、高齢になると、脳の前頭葉が収縮し、判断力の低下や、感情のコントロールが効かなくなり、イライラを抑えられなくなります。
プライドの高い高齢者は、加齢のため、感情のコントロールが出来なくなり、行き過ぎたまでにキレてしまうのです。
出典 日経Goooday
いたずらを繰り返す子ども
子どもというものは、何度注意してもいたずらを繰り返します。
母親が怒ると、面白がっているかのように、さらに行動がエスカレートします。
そうすると、さらに母親は怒ります。
なぜこのようなことが起こるのか?
子どもが、いたずらをしている時の脳内には、ドーパミン(ドパミン)という物質が分泌され、その時の状況を学習します。
ドーパミンの分泌で生じる効果は、学習だけでなく、快楽的な感情も生まれ、積極的に同じ行動をするようになります。
そして、子どもはドーパミンの影響で、交感神経が刺激を受け、興奮し、楽しくなり、どんどん同じ行動をとるようになるのです。
実は子どもだけでなく、怒っているはずの母親の脳内にも、ドーパミンが分泌されています。
ドーパミンの影響で、母親は子どものいたずらに、過剰に注意が向いてしまいます。
そんな中、子どもがいたずらを繰り返すと、ドーパミンが分泌され、母親は興奮します。
怒りの感情の中、子どもが言うことを聞かない…
さらに、ドーパミンの分泌で興奮して、ますます、母親はイライラします。
イライラすると、母親の脳内では、ノルアドレナリンが分泌されます。
※ノルアドレナリンとアドレナリンの違い…脳内で分泌されるのはノルアドレナリンで、アドレナリンは代謝物質
アドレナリンの分泌で、怒る母親は攻撃的になり、強く子どもを叱ります。
怒りを抑える方法
怒りを抑えるには、脳の仕組みを理解し、冷静になれるように意識づけしていくことです。
すぐには、怒りをコントロールできるわけではありませんが、意識次第で必ず、怒りをコントロールすることが出来るようになります。
私たちの脳は、自分が不快に感じた場面で、怒りの感情が生まれるように、記憶されています。
自分ルールに反した行動をしている人がいる、自分を否定する人に対して、怒りの感情が生まれます。
考えているうちに、どんどん怒りが増してきます。
怒鳴ったり、口論すると、怒りの感情がエスカレートします。
それは、あなたのせいではありません。
脳がそうさせるのです。
怒れば怒るほど、どんどん怒りが増します。
そのため、怒らないように意識することが大切です。
夫婦喧嘩を無くす
結婚前、付き合い立ての時は、お互い優しく接することができます。
しかし、付き合いが長くなってくると、相手の事を知り、自分との違いに気づいてきます。
自分と違う部分を不快に感じ、親しくなったことで、それを伝えれるようになります。
夫婦喧嘩の原因は「自分が正しい、相手が従わない、行動を改めてくれない」と思うことです。
相手も、自分が正しいと思っています。
人はそれぞれ、考えが違います。
自分に従って欲しい、という気持ちがあるかもしれませんが、口論になっては収拾がつかなくなります。
喧嘩をしている夫婦は、どちらも攻撃的です。
しかし、仲の良い夫婦は、穏やかです。
仲の良い夫婦は、考えが違っても、相手に合わせているのです。
例えば、二人の考え方が下のような場合…
・ご飯を食べたらすぐ、食器を洗う。
・ご飯を食べて、ゆっくりして食器を洗う。
奥さんが、ご飯の後、少しくつろいで、食器を洗っていたとします。
旦那さんは、本当はすぐに食器を洗って欲しいと思っています。
これを口に出すと、喧嘩になります。
「それなら、あなたが洗ってよ」「そんなの、お前の仕事じゃないか」「私だって仕事をしているのよ」という感じに、一言しゃべるたびに、お互いに怒りが増します。
この場合は、奥さんも相手に寄り添う気持ちで「そうね。今洗うね」と優しく返答してあげると、喧嘩になりません。
喧嘩をしない夫婦は穏やかですが、喧嘩を1度やってしまうと、脳に記憶されます。
興奮し、怒り、それが快楽の感情にも近いため、喧嘩をすると、その度に、どんどん激しくなるのです。
相手に合わせる
怒りをコントロールするには、相手に合わせることです。
自分の中には、これだけは譲れない、と思っていることがいくつかあると思いますが、譲ってください。
譲れないと思っていることは、一般的に正しい事とは限りません。
例え、間違えていたとしても、相手に合わせてください。
人の考えは、その人が気づいて変わろうとしなければ変わりません。
あなたが、相手に「○○してよ」と言っても、相手がそうしたい、正しい行動だ、と思っていなければ、何度言っても、相手は同じことを繰り返します。
だから、自分が相手に合わせてあげるのです。
相手を否定しない
自分が言葉に出さなくても、イライラすることもありますね。
例えば、上司から一方的に、叱られる…
自分は悪くない、理不尽に叱られる、と思うこともよくあると思います。
上司から、叱られている時に、言い返すことは少ないと思いますが、一方的に言われて、イライラする人も多いでしょう。
イライラしてしまうのは、自分が正しいと思っているからです。
理不尽に怒られていると思い、不機嫌な態度が伝わっています。
なるべく、叱られる時間を短くし、叱られないようにするには、叱っている人の心に寄り添う気持ちになって、返事も相手に合わせます。
「そうですよね」「その通りです」「はい」と素直に、相手の話を聞き入れます。
例え、失敗した理由を聞かれても、「でも」「いえ○○です」など、否定した言葉を使ってはいけません。
否定した言葉を使うと、上司の怒りはヒートアップし、自分のイライラ感も高まることになります。
怒りを鎮める・深呼吸
怒られたり、喧嘩したり、不愉快になり、怒りがどんどん沸き上がってきたら、その感情はどんどんも増します。
これは脳の問題なので、皆同じです。
怒りが増したら、一旦冷静になる必要があります。
怒りが増している時は、興奮状態です。
その興奮を抑えるためには、リラックスする必要があります。
5回程度、大きく深呼吸をしてください。
いつもイライラしている人は、深呼吸をして、すぐにイライラが収まることはありませんが、続けるうちに、怒りをコントロールできるようになってきます。
イライラしている時は、興奮を納める必要があるので、深呼吸も有効ですが、椅子に座ったり、体の力を抜くのも有効的です。
そして、イライラの原因から離れる必要があるため、別の事に集中します。
音楽を聴いたり(音楽はゆったりした曲を選ぶ、リラックスできるため)
集中しやすい単純作業を行います。
学生なら漢字の練習、社会人なら、自分が最もやりやすい仕事をすることで、イライラの原因から離れることが出来ます。
怒りレベルを計る
怒りが生じた時、怒りの原因から、離れる必要がありますが、いきなり全く別の事を考えるのは、難しいかもしれません。
そんな時は、怒りレベルを10段階評価し、この怒りは「レベル5かな?」と考えることで、怒りの原因からそれて考えることが出来ます。
そのため、怒りが増すのを抑える効果があります。
落ち着ける言葉を唱える
怒りが出た時、「しかたないよね〜」「気にしない」「そうゆう時もある」とゆっくり唱えます。
穏やかな言葉は、気持ちを落ち着かせる効果があります。(これをコーピングマントラと言います。)
それを続けることで、脳が学習し、簡単に落ち着けるようになってきます。
怒りコントロールの本
近年、アンガーマネージメントが注目されています。
パワハラ、体罰、クレーマーなどがニュースになることが多くあります。
そこで、感情のコントロールが注目されているのです。
おすすめの本を2冊ご紹介します。