水道水を美味しく・安全に飲む【塩素・トリハロメタン除去】
最近は、ウォーターサーバーの普及や、スーパーでも無料で水を、提供しているところも多くあるため、美味しい水を飲める機会が増えてきました。
しかし、ウォーターサーバーは、ちょっとお金もかかるし、無料の水も、持ち帰るのが大変ですね。
できれば、水道水を安全で、美味しく飲めたらいいですよね。
今回は、水道水を美味しく飲む方法や、有害物質について解説していきます。
水道水作りに使う薬品
出典 鳴門市
水道用ポリ塩化アルミニウム
水道のもとになる、河川などから引いてきた水に含まれる、濁りを固めるために使用する薬品です。
この薬品は、水の濁りを固めて、沈殿させる効果があります。
塩素
塩素は、水道水を消毒するための薬品です。
水の中に含まれる、マンガン、鉄、細菌、アンモニアに除去などに効果があります。
水道水を作るために使用する塩素は「水道用次亜塩素酸ナトリウム、液体塩素」を使用しています。
オゾン・活性炭
「オゾン」や「活性炭」は、有害な物質や、カビ臭などの臭いの物質を除去する効果があります。
「オゾン」は、浄水場の中で分解され、「活性炭」は処理過程で、除去されるため、水道水には、含まれません。
水道水に残っている物質
カルシウム・マグネシウム
水道水には、カルシウムやマグネシウムなどの、ミネラル成分が含まれています。
ポットの口などに白く付着しているものは、水道水に含まれるミネラル成分です。
塩素
水道水を消毒するために、入っています。
塩素が入っていることで、水に雑菌が繁殖しないのですが、「塩素臭、カルキ臭」と言われるニオイのもとになっています。
また、塩素は、アトピー性皮膚炎を悪化させるとも言われています。
トリハロメタン
トリハロメタンは、水道水の消毒のために入れている塩素と、水の中にある有機物が反応してできる有機化合物です。
発がん性が疑われていますが、日本の水質基準は、一生飲み続けても、人の健康に影響が生じないように、安全性を考慮した濃度です。
アルミニウム
水道水に含まれる、細かいゴミを除去するために、配合されています。
液体かされたアルミニウムは、水道水に混ざっています。
アルミニウム自体は、アルツハイマー型認知症や腎臓機能障害の原因になるとも言われています。
水道水に含まれる量は、人体に影響のない量に抑えられています。
銅
給湯器などに使用されている、銅管から微量の銅が溶け出す場合があります。
鉄
水道管に鉄が使用されていため、夜間など水が停滞しやすい時間たいは、鉄さびが水道水に混じることがあります。
赤い水が出た場合は、無色透明になってから、飲み水として使用しましょう。
しかし、鉄は人体にとっても、必要な成分の一つなので、少量混じるくらいは問題ありません。
亜鉛
給水管などに、亜鉛メッキ鋼管が使われている場合、亜鉛が溶け出して、白い水が出る場合があります。
給水管に、水が溜まっている時間が長いほど、そのような現象が起きます。
しかし、亜鉛は人体に必要な成分の一つです。
亜鉛を多く含んだ水道水を飲むと、渋みを感じることが多いようですが、水道水に混じる量は微量なので、亜鉛を大量に摂取することがなければ問題ありません。
トリチウム
放射性物質の一つです。
自然界にもあり、水に溶けやすく分離しにくいため、水道水にも含まれます。
トリチウムを水として摂取した場合、10日で体外へ排出されます。
水道水を飲むだけでは、大きな害はありません。
残留塩素を除去する方法
沸騰させる
塩素は、不安定な物質なので、沸騰させることで、水道水に残った塩素を除去することが出来ます。
また、水道水を汲んで、置いておくと、塩素は自然に抜けます。(塩素を自然に抜くには、時間がかかります。)
しかし、水道水を放置して、塩素が抜けるということは、一緒に雑菌も繁殖するため、あまり有効な方法ではありません。
沸騰させた、水も長時間の保管はできません。
塩素の臭いは、冷やすことでも、減少します。
15℃程度の水が、一番美味しいと言われます。
冷蔵庫の温度は3℃〜6℃なので、冷蔵庫に入れておいた水が、少し温まると、美味しい水になります。
日光を当てる
日光を当てると、紫外線により、塩素が分解されます。
半日〜1日程度日光に当てれば、ほとんどの塩素が抜けます。
金魚などの飼育する際も、水道水を汲んで、日光に当てることで、自然の水と同じ状態に近づけるため、必要な手順になります。
塩素・雑菌除去タンブラー
出典 Makuake
出典 Makuake
紫外線の力で、タンブラーに入れた水を、美味しく、雑菌も除去してくれます。
現在、クラウドファンディングのみ販売されています。
興味のあるかたは、支援するのもいいかもしれません。
販売予定価格よりも、安く購入することが出来ます。
レモンを絞る
レモンに含まれるビタミンCには、還元作用があります。
酸化作用のある残留塩素と反応することで、除去されます。
ちなみに、ポッカレモンでは、効果がありません。
レモンを入れると、爽快感のある風味になるため、水が少し美味しく感じることもあります。
しかし、人によっては、香りが気になる方もいるようです。
緑茶を入れる
緑茶を入れる場合は、沸騰させたお湯を使うため、その時点で、塩素は抜けています。
ただし、水道水を沸騰させない場合でも、緑茶に含まれるカテキンには、還元作用があります。
そのため、沸騰させていない水道水も、緑茶の葉を入れると、残留塩素を除去することが出来ます。
活性炭にを通す
活性炭には、目に見えない小さな隙間が無数に空いています。
その隙間が、様々な物質を除去します。
活性炭は、空中や、水中の臭いを取り除きます、そのため、脱臭剤として使用されることが多くあります。
この性質を利用して、残留塩素も除去することが出来るのです。
ただし、除去できる量にも限りがあります。
活性炭の力で、臭いや有害なトリハロメタンを除去してくれます。
浄水器は多数販売されていますが、こちらは、ポット式になっています。
ポットだからこそ、汚れていたら、すぐに掃除が出来ます。
高い浄水器を購入しても、長期使用による劣化や、使用状態が悪いと、逆に雑菌を飲んでいるかもしれません。
しかし、ポット式なので、汚れに気づいたら掃除でき、カートリッジ式なので、活性炭の効果が無くなったら交換可能です。
こちらは、「海外正規品」と「日本仕様・日本正規品」がありますが、検討される方は、日本のものを購入してください。
海外と日本では、水質の基準が違います。
美味しい水を飲むなら、日本仕様です!
トリハロメタンとは?
トリハロメタンは、水を消毒する際に、作られてしまう物質です。
塩素消毒する際、フミン質(植物などの最終分解生成物)などの有機物と反応して生成される化合物です。
つまり、藻などと、塩素が反応してできる、物質になります。
トリハロメタンは、発がん性が疑われています。
トリハロメタンには、いくつか種類があり、クロロホルムとブロモジクロロメタンは世界保健機関(WHO)より、発がん性の恐れがあるとされています。
日本の水道の水質基準は、総トリハロメタンは 0.1mg/L以下です。
世界保健機関(WHO)のガイドラインが、5mg/L以下なので、日本はその1/5の濃度に抑えていることから、健康被害は少ないと考えられます。
トリハロメタン除去方法
水道水に入っている、塩素を除去するために、沸騰が有効ですが、トリハロメタンは、沸騰させると増加します。
沸騰して、すぐに火を止めると、蛇口から出たばかりの水道水よりも、トリハロメタンが増加しています。
水道水は、常温でおよそ中性ですが、沸騰時はpH値がアルカリ性に変化します。
水道水中にはCa2+やNa+等の陽イオ ンと、crやHCO3-等の陰イオンが存在しています。
アルカリ性になる原因は、水温の上昇で、溶けている炭酸成分が揮発し、OH-が増加するためです。
水道水が沸騰近くの温度まで上がると、残留塩素が有機物と反応して、トリハロメタンが作られます。
しかし、沸騰することで、グツグツと泡が出て、その泡により、トリハロメタンが揮発します。
トリハロメタンを減少させるには、数分間、沸騰させる必要があります。
また、加熱温度を上げると、温度の上昇時間が短時間ですむため、トリハロメタンの生成を減少させることが出来ます。
また、沸騰する時の泡も多く、大きな泡がでるため、生成された、トリハロメタンを減らすことが出来ます。
トリハロメタンを減少させる方法
- 沸騰時間を長くする(10分〜15分)
- 沸騰温度を上げ、短時間で沸騰させる
沸騰時間を長くすることは、とても有効ですが、水道水を沸かす度に10分以上も沸騰させるのは大変です。
トリハロメタンを減少させる簡単な方法は、高温で素早く沸騰させるのが、一番有効です。
ケトルで、瞬間的に沸かしたり、やかんで沸かす際も、一番強い温度で沸かして、沸騰させることです。
短時間で沸かすことで、トリハロメタンの生成を抑え、沸騰の泡により、生成されたトリハロメタンを減少させることが出来ます。
また、沸騰させることで、塩素がトリハロメタンに代わるため、塩素の臭いもなくなります。
日本の水道水は、安全基準が厳しいため、水道水を沢山飲んでも、健康を害する可能性はほとんどありません。
トリハロメタンについて説明してきましたが、日本の水道水を飲むことで、あまり神経質になる必要はありません。
水道水を沸騰させて、塩素臭を取り除けば、安全で、美味しい水を飲むことが出来ます。